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春待ち草子/1

タイトル,回・サブタイトル
(Title/No.,Subtitle)
作者・掲載誌・単行本収録
Creator, Mag., Book
春待ち草子/1 天乃忍
LaLaDX2005年05月号
夏のかけら,01

小松日向(ひなた)の亡き父・小松春希は童話作家だった。春希の三回忌の日、書斎で遺稿を見ていた日向がうたた寝から目覚めると、何と童話の登場人物たち、座敷わらし、日本人形、桜の精、かかしに囲まれていた。外に飛ばしてしまった原稿を、彼らと一緒に探しに出た日向だが...。
「全ての人間が全てを口にできていたとしたら、生まれなかったかもしれないよ。恋文も、手紙も、童話も」。
言葉として伝えられないなら、しょうがない、意味がないわけじゃなくて、その思いが違う何かを生み出す元になるのかもしれない。伝えられなかった過去は変えられないけれど、残った思いの意味はこれから変えられるかもしれない。
天乃さんには珍しくファンタジックなお話ですが、形のない思いを大切にするカラーは変わってないですね。