●トップ > Freshers Home > ★LaLaDX1月号発売★「雪のかけら」

図書委員の菊池綾は、隣の組の紺野が忘れていった編みかけのマフラーに、クラスメイトの遠野直人がキスしているのを見てしまう。それ以来、紺野をおちょくったり絡んだりしている直人を見て、いろいろ発見する綾だったが…。
綾ちゃんの目で見る直人くんと紺野さんのやり取りが楽しいですが、途中から物語は違う方向へ展開していきます。どれだけ手を伸ばしても届かない。ただひたすら祈ることしかできない。「叶わない=つらい」だけじゃなくて、人にはたくさんの想いがあって、それはたくさん本を読んできても、うわべのひねくれた態度だけ見ていてもわからないこと。雪が降っても、いつかとけて消えても、どこかで伝わって、残っていくこと。それらを一つ一つていねいに描いている、いい話だと思います。

天乃忍さん